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投資判断

キャッシュフローが出ているのに危険な物件の特徴

毎月のキャッシュフローがプラスでも、隠れたリスクを抱えている物件があります。FCRギリギリ・修繕費未計上・高LTV・出口なし——CFプラスでも危険な4つのパターンを解説します。

「毎月CFが出ているから大丈夫」——これは誤解です。キャッシュフローがプラスでも、構造的なリスクを抱えた物件は存在します。短期的にCFが出ていても、数年後に取り返しのつかない状況になることがあります。

CFプラスでも危険なパターン4つ

パターン1:修繕費・空室損失を計算に含めていない

最も多い落とし穴です。毎月の返済と賃料収入だけで「CF+2万円」と計算しているケースです。

実際に計算に含めるべき費用:

  • 空室損失(入居率90%で計算すると月賃料の10%相当)
  • 修繕費積立(年間賃料の5〜10%)
  • 管理費(通常は賃料の5〜10%)
  • 固定資産税(年間数万〜数十万円)
  • 火災保険・地震保険
表面上のCF計算(間違い):
賃料: 8万円/月
返済: 6万円/月
CF: +2万円/月 → 「月2万円の利益!」

正しいCF計算:
賃料(満室):  8万円
空室損失(-10%): -8,000円
管理費(-5%): -4,000円
修繕積立(-5%): -4,000円
返済:  -6万円
実質CF: +4,000円/月

「月2万円の黒字」が「月4,000円の黒字」になります。設備交換が1件あれば一気に赤字になります。

⚠ 「返済額 < 賃料」だけではCFプラスとは言えない

キャッシュフローの計算は、賃料から返済額を引くだけでは不完全です。管理費・修繕費・空室損失・固定資産税を含めた実質CFで判断することが必須です。

パターン2:高LTVによる脆弱な収支構造

LTVが高い(借入割合が多い)物件は、毎月のADS(返済額)が大きくなります。現在はCFプラスでも、以下が起きると赤字転落します。

  • 賃料が10%下落する
  • 空室が2ヶ月続く
  • 修繕費が突発的に発生する
例:物件価格2,000万円
LTV 90%(借入1,800万円)の場合:
ADS: 約90万円/年(金利2.5%・30年)
NOI: 108万円(表面8%・OPEx除く)
CF: 約+18万円/年(月+1.5万円)

→ 賃料が10%下落すると:
NOI: 97.2万円
CF: 約+7.2万円/年(月+6,000円)
→ 修繕費1回で赤字転落

パターン3:現行賃料ベースのCF(賃料乖離リスク)

賃料乖離が大きい物件では、今はCFプラスでも退去後に収支が急変します。

現行賃料でのCF(現在)

現行賃料: 10万円/月
返済: 7万円/月
CF(簡易): +3万円/月
→ 「黒字!」

相場賃料でのCF(退去後の現実)

市場相場: 8万円/月(乖離20%)
返済: 7万円/月
CF(簡易): +1万円/月
管理・修繕・空室を引くと: 赤字転落

パターン4:CFはプラスでも出口がない

毎月CFが出ていても、売りたいときに売れない物件は長期的に危険です。

出口がない物件の特徴:

  • 流動性が低いエリア(地方の過疎地)
  • 旧耐震・再建築不可・旗竿地など制約がある
  • 築年数が古すぎて融資が付かない(次の買い手が現金のみ)
  • 区分所有で管理組合が機能不全

CFが出ていても売れなければ、問題が起きたときに対処できません。大規模修繕・空室長期化・金利上昇が重なると、売れないまま赤字が続くリスクがあります。

ℹ CFプラスは「今の状態」に過ぎない

不動産投資で重要なのは「今のCF」ではなく「保有期間全体のトータルリターン」です。今のCFが良くても、将来の賃料下落・修繕費増加・売却損を含めると実質的に損をするケースがあります。

CFプラス物件を正しく評価するチェックリスト

【CF計算の正確性】
□ 空室損失(入居率90%以下で計算)を含めた
□ 管理費(賃料の5〜10%)を含めた
□ 修繕費積立(年間賃料の5〜10%)を含めた
□ 固定資産税・保険料を含めた

【構造的なリスク】
□ LTVが80%以下(返済余力が十分)
□ DSCRが1.2以上(収支に余裕がある)
□ 現行賃料と市場相場の乖離が10%以内

【出口リスク】
□ 10年後に売却できる物件か
□ 次の買い手が融資を受けられる物件か
□ 売却価格が購入価格を大幅に下回らないか

本当に安全なCFプラス物件の条件

□ 正確なCF計算でプラス(修繕・空室・管理含む)
□ FCR > ローン金利 + 1〜2%
□ DSCR ≥ 1.2
□ 市場相場賃料でもCFプラスを維持
□ 流動性があり出口が作れる
□ エリアの空室率が低く需要が安定

これらを満たした上でのCFプラスが「本当に安全な収益性」を意味します。

CFプラスの本当の意味を数字で確認する

修繕費・空室損失・管理費を含めた正確なCFと、DSCR・FCR・BERを一度に計算できます。CFプラスの物件が本当に安全かどうかを数字で判定できます。

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まとめ

  • CFプラスでも危険な4パターン:①費用未計上・②高LTV・③賃料乖離・④出口なし
  • 正確なCF計算には「空室損失・管理費・修繕費・固定資産税」を含める
  • 現行賃料ではなく市場相場賃料でCFを再計算する
  • CFプラスでも出口(売却)が作れない物件はリスクが高い
  • 本当に安全なCFプラスは「DSCR≥1.2・FCR>金利+1%・出口明確」がセット

関連記事:キャッシュフローとは? / 賃料乖離とは? / 買ってはいけない物件の特徴7選

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